8月21日(金)、教科書研究センターは、“広げよう深めよう”「教科書を使って探究学習」コンクール第4回ウェビナー『小・中・高をつなぐ探究的な学びの実践 ~子供主体の学びを実現するため~』を、山梨県教育委員会と共催しました。本センターでは、2024(令和6)年度から山梨県教育委員会と連携し、小・中学校における学習者用デジタル教科書を活用した授業づくりに関する調査研究を進めてきました。今回のウェビナーは、こうした連携の実績を踏まえ、山梨県教育委員会が開催する「学力向上フォーラム2026」と一体的に実施したものです。

 学力向上フォーラムの第Ⅰ部では、全国学力・学習状況調査の結果をもとにした授業改善についての説明に続き、新津勝二事務局長が「教科書の活用を通した授業改善」をテーマに講演を行いました。教科書の構造を理解することの重要性や、探究的な学びにおける教科書の役割、学習者用デジタル教科書をはじめとする教育情報化の動向などを紹介し、これからの授業における教科書活用について考える機会となりました。続く第Ⅱ部では、第4回ウェビナーとして全国にオンライン配信し、北杜市立長坂小学校の藤森啓太教諭、小中一貫校南アルプス市立白根御勅使中学校の萩原義晃教諭、山梨県立笛吹高等学校の廣瀬志保校長から、小・中・高それぞれにおける探究的な学びの実践が紹介されました。藤森教諭からは、情報活用能力の育成を位置付けた教科横断的な生活科及び総合的な学習の時間の取組、萩原教諭からは「MIDAI QUEST」をはじめ、総合的な学習の時間を核として各教科・領域に探究的な学びの学習過程を取り入れた実践、廣瀬校長からは、地域連携と教科横断を取り入れた「笛吹グローカル」の取組や、小・中・高の学びをつなぐ実践などが紹介されました。

 実践発表後のトークセッションでは、「探究的な学びを進める上で最も大切にしていること」「小・中・高の学びをどのようにつなぐか」「探究的な学びの中で教科書はどのような役割を果たすのか」などをテーマに意見交換が行われました。さらに、事前に寄せられた学校教員や高校生からの質問にも登壇者が回答し、児童生徒の疑問やわくわく感を引き出す授業づくりや、校種を越えて学びを接続するための工夫について議論を深めました。400名を超える参加者からは、「教科書は探究の宝庫であり、課題発見や情報収集の手掛かりが多く含まれていることに気づいた」、「教科書の構造を理解することが、深い学びや探究的な学習の基盤になると感じた」、「『教科書を教える』のではなく、『教科書を活用して子どもが学ぶ』という視点が大切だと感じた」などの感想が寄せられました。また、子どもの探究を支えるためには、教師自身も教科書や学習指導要領を読み込み、問いをもちながら学び続けることが重要であるとの声もあり、教科書の価値や役割を改めて捉え直す機会となりました。本センターでは、今回のウェビナーで共有された実践や成果を生かしながら、“広げよう深めよう”「教科書を使って探究学習」コンクールを通して、児童生徒が教科書を学びの出発点として、または、課題設定や解決のヒントとして活用し、自ら問いをもち、主体的に探究していく学びをさらに広げていきたいと考えています。

【山梨県教育庁義務教育課中村忠廣課長補佐のコメント】普段当たり前にある教科書について、考え捉え直す機会になり、その価値を再認識できる時間となりました。まさに、ねらいとしていた子供主体の授業に向けて、深く考えることができました。
【教科書研究センター新津勝二事務局長のコメント】小・中・高の先生方が同じ舞台で授業実践を発表し、情報交換する機会はあまり多くありません。今回、それぞれの校種における実践を通して、学びがどのようにつながっていくのかを考える貴重な機会となりました。また、改めて教科書が探究的な学びを支える大切な教材であることを実感することができました。

▼「教科書を使って探究学習」コンクールの詳細はこちら
https://textbook-exploration.com

▼アーカイブ配信動画はこちら
https://youtu.be/how51wHl9nk

長坂小学校藤森先生(右)

白根御勅使中学校萩原先生(左)と笛吹高等学校廣瀬先生

教科書の構造理解について説明する新津事務局長

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