8月29日(金)午後、公益財団法人教科書研究センターは「みらい教育セミナー」を、大阪教育大学天王寺キャンパスで開催しました。今回のセミナーは、『第5回デジタル教科書体験型研修会(国語編)』として、光村図書出版株式会社の西村智子さん、西山直志さん、諸星奏希さんを講師及びサポーターとして迎えて実施されました。
冒頭、教科書研究センターの新津勝二事務局長から、「デジタル教科書の使い方が分からない。」「どのような機能があるのか使ってみたい」といった先生方や、教師を目指す大学生に直接体験していただくことで、その特性や意義を一緒に考える機会を拡げていきたい、との開催趣旨が述べられました。
続いて、この春まで中学校「国語」教科書の編集長を務めていた西村智子さんから、デジタル教科書をめぐる現状と課題について説明があり、その後、「模擬授業で学ぶ!明日から使えるデジタル教科書活用術(国語編)」と題したワークショップが行われました。参加者は、小学校6年「『鳥獣戯画』を読む」のデジタル画面を端末に表示し、西村さんのデモを参考にしながら、スクロール機能によるページまたぎの解消、分かち書き(語の区切り)、拡大・縮小や色の反転などのカスタマイズ機能を体験しました。さらに、後半にはデジタル教材についての紹介も行われ、教科書の本文や図・写真をドラッグして抜き出し、整理することができる「マイ黒板」機能を実際に操作しました。「マイ黒板」にまとめることで、自分の考えを可視化・整理できるだけでなく、隣同士で画面を見せ合いながら意見を伝えるなど、協働的な学びにつながる場面も見られました。
今回のセミナーは、学習者用デジタル教科書や教材を自ら体験することで、国語教育においてもデジタル教科書が、個別最適な学習や協働的な学びに有効であることを実感できる研修会となりました。
【参加者の感想】 ○個別最適な学びの具体像が分かり、大変有意義な時間となりました。 ○大学では使ったことがなかったので、デジタル教科書の利便性を実感できました。またこのような研修の機会があれば、積極的に参加したいです。 ○国語の学習者用デジタル教科書を使った授業をしてみたいと思いました。 ○実際に体験してみると、学習者用デジタル教科書は子どもたちにとって非常に有用なツールになるということが、とても良く分かりました。

デジタル教科書について説明する西村さん

研修会場全体の様子


