10月31日(金)、長野県松本市で開催された全国教育研究所連盟研究協議会において、公益財団法人教科書研究センターの榊原範久特別研究員(上越教育大学教授)が『校内研修リーダーを育成する拡散型教員研修プログラムの実践~学習者主体の教科書・デジタル教科書活用の研修を中心に~』というテーマで講演を行いました。
2日目の研究協議会に登壇した榊原教授は、令和6年度から行っている教科書研究センターの受託研究事業成果として、「拡散型オンライン教員研修プログラム」を開発し、平成7年度の実績では、静岡市、柏崎市、妙高市、糸魚川市、海士町教育委員会と連携しており、研修実施後の効果測定を含めた実践を発表しました。具体的には、大学と教育委員会が連携して研修計画を立案し、各学校等の代表者を対象に大学教員がオンライン研修を行います。その研修の受講者が各学校に戻り、大学教員から提供されたスライド資料を下にして校内研修の講師になって教員研修を行い、授業実践への拡散を行うというものです。このプログラムは、大学教員及び教育委員会職員が出張することなく、たくさんの学校教員を対象にした研修を展開することができることが大きな特徴になっています。講演後に行われたグループ毎の研究協議では、教員の働き方改革が求められる中での新しい研修のスタイルとして大きな関心を集め、教員研修に関する課題の共有や意見交換が積極的に行われていました。
なお、同研究協議会には、教科書研究センターの髙木まさき統括研究官と新津勝二事務局長が出席し、グループ討議にも参加して意見交換を行いました。
【榊原教授のコメント】
このような全国大会で、教科書研究センターとの受託研究成果を発表する機会をいただき感謝しています。拡散型研修を受講した教育委員会や学校教員からは、各校の代表者によって共通の内容を下に校内伝達講習が行われるため、研修の意義や方向性が統一された成果を感じているなど高評価を受けているので、今後は内容を充実させながら全国展開を目指していきたいと考えています。
【研究協議会参加者の感想】
〇いろいろな経験を有する受講者に合わせた研修にする必要があるため、スライド資料の提供はとても助かります。アレンジしていろいろな研修で活用したいです。
〇オンライン研修ではグループ討議をしても限界があると感じていたので、とても良い仕組みだと思いました。

研究成果の発表を行う榊原先生

分科会の様子