公益財団法人教科書研究センターは、12月3日(火)の午後に韓国教科書研究財団一行を迎え、教科書の研究分野やデジタル教科書に関連する研究などについて意見交換を行いました。同センターと財団はこれまで長年にわたり日本と韓国の教科書を交換してきたという関係があり、今回が2回目の訪問になります。
訪問団は、ファンボウン理事長、ユスンギ教科書情報館長、ビョンジャジョン研究部長の3名で構成され、教科書研究センター側は、髙木まさき統括研究監、新津勝二事務局長・副館長、小滝恵子庶務主任の3名が出席しました。まずは、互いに用意したお土産を交換し、温かい雰囲気の中で意見交換会が始まりました。
会議は、髙木統括研究官による心温まる歓迎の挨拶からスタートし、事前の準備された質疑応答項目に基づいて進行されました。特に、韓国教育部が2025年からAIデジタル教科書を導入する計画を発表したこともあって、デジタル教科書に関する現状と課題について活発な意見交換が行われました。お互いの質疑応答は予定時間を超えるほど議論が盛り上がり、双方にとって充実した意見交換の場となりました。
また、教科書の研究分野に関する考え方や、文部科学省および韓国教育部との連携についても意見が交わされました。さらに、教科書研究センターが長期的に進めている「海外の教科書制度等に関する調査研究事業」に対して財団側から高い関心が寄せられました。加えて、国内外で教科書研究団体としての認知度が低いという共通の課題についても話し合い、情報発信を積極的に行う広報戦略についてアイデアを共有しました。
その後、訪問団一行は附属教科書図書館を視察するとともに、古い教科書等のPDF化作業などについての説明を図書館職員から受けました。
最後に、ファン理事長から「ぜひ来年は韓国を訪問してください。残された質疑はメールでやり取りしましょう。」という提案があり、3名は笑顔とともにセンターを後にしました。
(新津事務局長のコメント)
「対面で意見交換することの大切さをあらためて感じました。韓国のAIデジタル教科は、検定の範囲をどこまで行うのかといった議論が進められているということなので、その先進的な取り組みは、日本の教科書制度にとっても有益な情報源になると考えています。」