大阪教育大学みらい教育共創館で行われる「みらい教育セミナー(ワークショップ)」のお知らせ(2025年1月11日)

2025年1月11日(土)に、大阪教育大学「みらい教育共創館」にて、教科書研究センターと連携研究を行っている信州大学准教授 佐藤 和紀 氏、山梨大学准教授 三井 一希 氏、京都教育大学講師 大久保 紀一朗 氏が「デジタル教科書の新たな可能性を探る~個別最適な学びと協同的な学びにおける活用を通じて~」についてのワークショップを実施いたします。

<申し込み方法>
大阪教育大学みらい教育共創館みらい教育セミナーのページより、お申し込みください。

教科書セミナーを開催「エストニア調査及びIARTEMパリ大会報告」

 9月20日(金)午後、公益財団法人教科書研究センターは、例年開催している教科書セミナーを対面とオンラインで開催しました。今回は、センターが令和5年度から4年計 画で実施している「個別最適な学びと教科書の在り方に関する国際比較調査~諸外国にお けるデジタル教科書の政策と実相~」の調査研究の一環として、「エストニア調査及びIARTEM(国際教科書・教育メディア研究学会)2024報告」をメインテーマとして開催したもので、ハイブリッド方式により80名を超える教育関係者が参加しました。

 開会挨拶として、千石雅仁理事長からセミナーの趣旨と講師紹介が行われた後、最初に登壇した広島大学の二宮皓名誉教授から「エストニア共和国のデジタル教科書~世界最先端のデジタル教科書システム~」と題して、本年3月3日~5日にかけて実施された現地調査の結果が報告されました。人口130万人あまりのエストニアが、世界に先駆けたデジタル戦略を行った結果、2003年にSkypeを開発したこと、国民のデジタルスキル向上戦略によってインターネットの普及と「教育のデジタル化」が推進されたこと、加えて、デジタルコンピテンス育成のための「教員養成・研修」が徹底されたことなどによって、PISA2018においてフィンランドを抜いて欧州トップ、世界のトップクラスに躍進したことなどの説明があり、参加者から大きな注目を浴びました。また、エストニアで発行されるデジタル教科書・教材のポータルサイト「Opiq」の概要と特色の説明があり、ポータルサイト上のデジタル教科書・教材はすべて一つのライセンスでいずれの学年相当のものでも自由に使用できることや、2016年から2019年の3年間で利用者が「10倍」に増えたこと、さらに、エストニアのデジタル教科書の今後の挑戦など詳しい説明が行われました。
 次に登壇した香川大学教育学部の松島充教授からは、「数学教育の視点から見たエストニア教科書・教材」と題した報告が行われました。前半は、エストニアの教育環境や教育制度、ナショナルカリキュラムや数学カリキュラムと目標及び基礎学校で目指すコンピテンシーなどの説明があり、後半は、2つの授業参観と教科書等のポータルサイトOpiqについて、授業の様子とともに教師が自由にコンテンツを付加できる内容編集システムなどについて実際の写真や動画を使った説明がありました。さらに、デジタル教科書の評価問題やノート機能、授業の構成、そして、エストニアのデジタル教科書は「個人での学びの深化を志向した教科書」になっているなどの説明がありました。そして最後に、「デジタル教科書とは何か?」「AIのテクノロジーは教科書をどのように変化させるか?」「LMSとの関係はどのように変化するのか?」などについて問題提起されました。その後行われた質疑応答では、紙の教科書とでデジタル教科書の使い分けや今後の見通し、プラットフォームの開発予算とその負担割合、アカウントの付与方法とその予算負担、ライセンス料の配分方法などについて活発な質疑応答が行われ、日本のデジタル教科書制度と比較する場面も見られました。
 続いて、二宮皓教授からIARTEMパリ大会の報告が行われ、32か国130名の参加者による分科会やポスターセッションの中で、デジタル教科書関係に関する研究発表の紹介が行われ、スウェーデン、ノルウエー、ドイツなど諸外国におけるデジタル教科書の活用状況などが共有されました。
 最後に、髙木まさき統括研究監より閉会の挨拶があり、2時間に及ぶ教科書セミナーはデジタル教科書の発展・充実を願いつつ、幕を閉じました。


【参加者の主な感想】
〇国の政策によってこうも学習環境が変わるものかとエストニアには感心しました。
○エストニアの教科書事情や海外の教育情報から新たな視座を得ることができました。
○デジタル教科書の普及には国の主導が欠かせないように思いました。
○プラットフォームを通じて、全学年の教科書を見ることができ、他教科へもリンクしているのは素晴らしいことだと思いました。

会場全体の様子
エストニア調査について報告する二宮教授
質問に答える松島教授

=教科書研究センター・大阪教育大学=「学習者用デジタル教科書(英語)の活用に関する調査研究発表会」を開催

 8月21日(水)午後、公益財団法人教科書研究センターと国立大学法人大阪教育大学の共催により、「みらい教育セミナー」として、『英語の学習者用デジタル教科書の活用に関する調査研究成果発表会』が開催されました。会場は大阪教育大学天王寺キャンパス内の“みらい教育共創館”で、対面45名、オンライン105名の教育関係者が参加しました。この発表会は、教科書研究センターから調査研究の委嘱を受けた4つの国立教員養成大学が、2年目の成果や課題について発表し合うもので、4大学による実践研究の発表の後に、パネルディスカッション形式で質疑応答や意見交換が活発に行われました。

 最初に登壇した鳴門教育大学の山森直人教授と佐藤美智子特命准教授からは、研究1年目に行った試行授業とアンケート結果をもとに主に分かったこととして、学習者用デジタル教科書を使うと、児童自身が自分のペースで個別・協働的な学びを繰り返す姿が見られたこと。そして、そこから活用の可能性や課題を読み解くことができたことなどについて報告が行われました。

 次に登壇した大阪教育大学の加賀田哲也教授からは、共同研究を行う枚方市の協力校3校における、「聞く・話す」活動に係る授業改善を踏まえた学習者用デジタル教科書の効果的な活用方法を中心に説明が行われ、学習者用デジタル教科書は外国語教育と親和性が高いことや、子どもたちが試行錯誤を繰り返し行うことができることなどが報告されました。また、質疑応答の場面では、枚方市教育委員会主幹の髙橋瑞人主幹から具体的な取り組みや事例が報告されました。

 次に登壇した愛知教育大学の建内高昭教授からは、冒頭で、エストニアなど諸外国のデジタル教科書に関する先進事例について説明されました。その後、デジタル教科書等を活用した英語授業の開発について、個々の学年やクラスに応じたロールモデルの映像(授業のレッスンを受けた段階で生徒が発表する際にもう一段階上の気づきを促すもの)を先生方が実際に作って提示する事例についての報告が行われました。

 最後に登壇した兵庫教育大学の松田充准教授と鳴海智之講師からは、教員のニーズや能力に応じたデジタル教科書の活用に関わる教員研修プログラムの開発と実施について報告が行われました。具体的には、学習者用デジタル教科書は、ハブ的な機能を持たせることで他のソフトウエアと組み合わせなど多様な可能性があることや、デジタル教科書を含めたICT活用の研修があまり多く実施されていないことなど、教員の研修不足についてです。また、兵庫教育大学の教員研修プログラムに基づき実施された研修の詳細が受講者の感想とともに報告されました。

 第二部のパネルディスカッションは、教科書研究センターの髙木まさき統括研究監による進行の下で、実践研究を発表した大学間や参加者による質疑応答と意見交換が行われました。その中で、英語の学習者用デジタル教科書の活用に関する大きな可能性が共有された一方、好事例の普及や効果的な活用に関する研修不足など共通する課題も浮き彫りになり、これらの調査研究事業が今後さらに充実発展することが期待されています。

実践研究の発表
パネルディスカッションの様子

教科書セミナー「エストニア調査及びIARTEM2024(パリ大会)報告」の開催について(終了しました)

 教科書研究センターでは、令和5年度より4年計画で「個別最適な学びと教科書の在り方に関する国際比較調査~諸外国におけるデジタル教科書の政策と実相~」を実施しているところです。
 本研究の中で本年3月に実施いたしましたエストニア報告と、本年5月にパリで開催されましたIARTEM(国際教科書・メディア学会)のご報告をテーマにご報告していただきます。

【日時】令和6年9月20日(金)14:00~16:00
【会場】教科書研究センター
【テーマ】エストニア調査及びIARTEM2024(パリ大会)報告

【講師】
●エストニア報告
広島大学名誉教授 二宮 皓 先生
香川大学教授 松島 充 先生
●IARTEM(国際教科書・メディア学会)報告
広島大学名誉教授 二宮 皓 先生

※本セミナーは終了しました。

「令和6年度に行われる教科用図書検定結果の公開」(令和7年度使用開始分・文部科学省)で公開された資料の通年公開について

2024年5月21日~6月7日まで文部科学省によって行われた「令和6年度に行われる教科用図書検定結果の公開」で公開された資料(令和7年度使用開始教科書の検定関係資料)は当館及び国立教育政策研究所教育図書館にて下記日程にて通年公開いたします(資料一覧はこちら)。

教科書図書館(当館) 2024年8月5日(月)~(予定)
国立教育政策研究所教育図書館 2023年7月23日(火)~(予定)

当館での閲覧方法は通常の利用と同様です。詳しくはこちらをご覧ください。

国立教育政策研究所教育図書館の利用方法については、ホームページ等でご確認ください。

なお、資料内容については文部科学省ホームページをご覧いただくか、文部科学省教科書情報係(文科省代表:03-5253-4111)にお問い合わせください。

小学校、中学校、高等学校の生徒さんのご利用について

 小学校、中学校、高等学校の生徒さんが当館をご利用になる際は、学校の先生からの事前申し込みが必要です。本人や保護者からの申込みはできません。

生徒さんへ

 図書館を利用したいときは、まず当館の所蔵データベースを見て、利用したい資料を特定してください。各資料には分類番号という記号番号が付いていますので、それをメモし、数が多い場合は書名などと一緒にリストを作成してください。利用したい資料を特定できない場合は、例えば「中学校 理科 10年前~現在までの教科書」などできるだけ範囲を絞ってください。生徒さんは一般の利用者と同じように閲覧室内を自由に見て回ることはできませんので、ある程度利用範囲を絞り込む必要があります。
 利用資料、利用日・時間が決まったら学校の先生に利用申し込みをしていただけるようご相談ください。先生のOKが出ましたら、先生に当館の電話番号(03-5606-4314)を伝え、お電話していただいてください。先生と申込書のやり取りをファックスで行い、利用当日は申込書原本を生徒さんに持参していただきますので、先生から申込書を受け取れるよう、余裕を持って利用日を決めてください。
ご担当の先生へ

 生徒さんの利用希望がありましたら、まずお電話にてお問い合わせください(03-5606-4314)。利用方法等をご説明してから、申込書を先生宛にファックスいたします。利用資料、利用日・時間等を生徒さんとご相談の上申込書に記入し、返送してください。申込書の原本は利用当日生徒さんに持たせてください。
 なお、生徒さんは閲覧室での行動が制限されます。できるだけ利用範囲を絞るようご指導ください。また、調査、複写などは意外に時間がかかります。余裕を持った時間設定をお願いいたします。
保護者の方へ

 保護者の方からのお申込みはできません。お子様に学校の先生に相談するようお伝えください。また、保護者としての入館方法はありません。一緒にお越しになる場合は別途一般の利用者としてご入館ください。また、生徒さんは一般の利用者と違い館内での行動制限があります。保護者の方は一般利用者ですので、お子様を連れて館内を移動することはご遠慮ください。