3月21日(土)午後、公益財団法人教科書研究センターと大阪教育大学は、日本教育新聞社協力の下、「英語の学習者用デジタル教科書の活用に関する実践調査研究成果発表会」を開催しました。会場は大阪教育大学天王寺キャンパス内「みらい教育共創館」で、対面33名、オンライン137名の教育関係者が参加しました。本発表会は、教科書研究センターから調査研究の委嘱を受けた国立の教員養成大学が、3年間にわたる実践研究の成果と課題を報告するもので、第2部では、参加者も交えたパネルディスカッションが行われました。

 最初に登壇した鳴門教育大学の山森直人教授、佐藤美智子特命准教授からは、アンケート調査と学習者用デジタル教科書を活用した試行授業の結果が報告されました。教師の認識とは異なり、児童はデジタル教科書を積極的に活用する傾向があること、また、その活用により「個別の学び」や「協働的な学び」が生まれる可能性が示されました。一方で、それらが必ずしも最適な学びにつながるとは限らず、学びの最適化には教師の働きかけが重要であることが指摘されました。

 続いて大阪教育大学の加賀田哲也教授、枚方市教育委員会の髙橋瑞人主幹からは、協力校における授業改善の実践を踏まえた報告が行われました。デジタル教科書の活用が「外国語の見方・考え方」の深化につながること、学習環境が整えば児童は自ら学び始めること、そしてその学びを教師が適切に見取り価値づけることの重要性が示され、指導観の転換の必要性が提起されました。                                    

 次に登壇した愛知教育大学の建内高昭教授からは、英語での発表と振り返りを繰り返し行う効果について報告がありました。中学校では、ICTを活用した映像視聴が、生徒自身の学びの振り返りや楽しんで学び取るflow状態を生み出す契機となること。また、小学校においても、表現や語彙を自ら選択する活動が、学習意欲の向上と継続につながることが示されました。

 最後に、兵庫教育大学の松田充准教授、鳴海智之講師からは、教員のニーズや力量に応じた研修プログラムの開発とその効果について報告がありました。集合型研修から、個別的・協働的な学びを基盤とした研修観への転換の重要性が示されるとともに、デジタル教科書を「学びのハブ」として活用する視点や、学習観の転換を踏まえた授業づくりの考え方が報告されました。

 第2部のパネルディスカッションでは、教科書研究センターの髙木まさき統括研究監の進行のもと、登壇者と参加者による活発な議論が行われました。約3時間にわたる本発表会は、デジタル教科書の活用の可能性と課題を共有するとても有意義な機会となりました。

鳴門教育大学(山森教授、佐藤准教授)の発表

大阪教育大学(加賀田教授、高橋枚方市教委主幹)の発表

愛知教育大学(建内教授)の発表

兵庫教育大学(松田准教授、鳴海講師)の発表

パネルディスカッションの様子

セミナー会場全体の様子

▼動画及び配布資料についてはこちら
https://youtu.be/VR0Cp8E2VJM

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